2005年02月11日

『麦の海に沈む果実』 /jun

こないだ読んだ『六番目の小夜子』と一緒にプレゼントしてもらった恩田陸の本
ようやくこれも読み終わった。『六番目の小夜子』の時より圧倒的に文章が
洗練された印象が強く、情景描写や人物背景やミステリー的な伏線など違和感無く
自然な流れで読める。完成された小説、という気がして非常に面白かった。

現実とはおよそかけ離れた設定ながら、なぜか懐かしいような切ないような感覚を覚える
世界観。やっぱり中高生くらいの年の子達が主人公だからということもあるだろうけど、
なんだろう、うまく説明できないのだけど、その世界観というか雰囲気を
僕がいつか心の何処かで夢見ていたような気もするんだ。
こういう世界の中に身を置きたい。閉鎖された世界に束縛されながらも、
そこで暮らす仲間達と喜んだり、悲しんだり、得体の知れない何かに怯えたり。
でもそれは僕が過ごした高校時代そのものと、そうかけ離れたものでもないのかもな、
とも思う。非現実的な物事も僕が学生時代に間違いなく体験したもののメタファーで、
それに何となく気付いて僕は切なくなってるのかも、と思う。

後味が「良い」とは言えない結末だったけど、それまでに張り巡らされていた伏線を
消化するように明確な答えが結末で示されたのは良かったと思う。
ストーリーというよりも物語の雰囲気が読み終えた自分の中で生き続けるような
傑作だと思う。読んでよかった。

個人的オススメ度を五つ星で表してみることにしました。
過去に読んだ本などの記事にもオススメ度を改めて追加しておきました。
オススメ度:★★★★☆
posted by jun & しおん at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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